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死の境域―輪廻の郷。
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 八七 智者は黒法を離れて白(法)を修すべし、在家より非家に趣き、悦び難き孤獨を

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黒・白―次頌の如く惡・善の異名。
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 八八 樂ふべし、智者は諸の欲を去り、一物をも所有せず、己を淨めて諸の煩惱を除くべし。
 八九 心は正しき菩提《さとり》の要素を正しく修習し、執著無く、執著を棄つることを樂しみ、心の穢を盡し、知見を具する人は、現世に於て(已《すで》に)涅槃に入れるなり。
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    第七 阿羅漢の部

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阿羅漢―應供と譯す、人の尊敬を受くべき資格ある義、又は殺賊の義、煩惱の賊を已に殺したるを云ふ。
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 九〇 經べき途を已に過ぎ、憂を除き、一切に於て解脱し、一切の縛を斷てる人には苦惱あることなし。

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經べき道―有爲の輪廻を指す。
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 九一 彼等は精勤し、熟慮して住宅を喜ばず、鵝の小池を棄つるが如く、彼等はあらゆる住處を棄つ。

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