念することはいらない。如來は私の一切の行爲に就いて、責任を負うて下さるゝことである。私は只此如來を信ずるのみにて、常に平安に住することが出來る。如來の能力は無限である。如來の能力は無上である。如來の能力は一切の場合に遍滿してある。如來の能力は十方に亘りて、自由自在無障無礙に活動し給ふ。私は此如來の威神力に寄托して、大安樂と大平穩とを得ることである。私は私の死生の大事を此如來に寄托して、少しも不安や不平を感ずることがない。「死生命あり、富貴天にあり」と云ふことがある。私の信ずる如來は、此天と命との根本本體である。(絶筆 明治三十六年五月三十日執筆六月十日發行『精神界』所載)
底本:「わが信念」弘文堂
1952(昭和27)年2月25日初版発行
初出:「精神界」
1903(明治36)年6月10日発行
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5−86)を、大振りにつくっています。
入力:田中敬三
校正:土屋隆
2006年7月23日作成
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