ん。ある 日 とほりかゝつた 村人を とらへて、
「この 驢馬の 耳が 聞えるやうに するには どう したら えゝでせうな。」と きゝますと、その 人は、
「なんでも ないよ、帽子を とつて やりなさい。」と こたへました。
「こいつは 名案だ。」と 叫んで、張は 帽子を とつて すてました。そして、驢馬の 耳に 口を つけて、
「驢馬 やーい。」と どなりました。すると 驢馬は くすぐつたくて、耳を 二三度 ぴくぴく させました。張は それを 見て、
「やあ 聞える 聞える。」と よろこんで おどりあがりました。
底本:「校定 新美南吉全集第四巻」大日本図書
1980(昭和55)年9月30日初版第1刷発行
1987年(昭和62)年2月15日第3刷発行
初出:「きつねの おつかい」福地書店
1948(昭和23)年12月5日
入力:高松理恵美
校正:川向直樹
2005年3月17日作成
青空文庫作成ファイル:
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