にかえりました。
 その夜はたいへん寒かったので、雀《すずめ》はかぜをひいてしまいました。
 それもそのはず、雪がどっさりふったのでありました。
 雀《すずめ》はかぜがなかなかなおらないので、まいにち藁《わら》の中にくるまって、落とした一銭銅貨《いっせんどうか》のことを思っていました。
 やがて雀《すずめ》はよくなりました。そこで一銭銅貨《いっせんどうか》をさがしにいきました。
 まだ雪ははたけの上につもっていました。
「わたしの、わたしの一銭銅貨《いっせんどうか》、この下にいるのかい。」
と、雀《すずめ》は雪の上からききました。
 すると雪の下から、
「いえいえ、ここにはありません。」
とだれかがこたえました。
 雀《すずめ》はまたべつのところへいって、
「わたしの、わたしの一銭銅貨《いっせんどうか》、この下にいるのかい。」
とききました。
 するとまた雪の下から、
「いえいえ、ここにはありません。」
とこたえました。
 雀《すずめ》はあちらこちらとたずねてあるきました。
 するととうとう、
「はいはい、ここにありますよ。雪がとけたらおいでなさい。」
とこたえました。
 雀《すずめ》
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