よ。うまく合う?
長女  うまく合うわ。ほら、ちょうどてのひらを合わせたみたい。
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(それを病気の子に渡す)
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三男  まだ鳴るかなあ。
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(口にふくんで弱々しくふく。鳴らない)
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長女  土の中にあった間に、どこかきっと欠けたのよ。
三男  鳴るよ。……じっときいてると、いっぱいになるよ。……風の音や笛の音がするよ。……たくさんの音がするよ。どこか遠くの方へ消えていくよ。
長女  うそよ。なにもきこえやしないわ。
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(病気の子、貝をくわえたまま耳をすましている。間)
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三男  ねえちゃん、……ぼくなんだか軽くなった。あ、ぼくもとんでくよ。風の音や笛の音の中をいっしょに……おかあちゃん……ああ、ぼくもとんでくの……。
長女  なにいってるの、よし坊ちゃん。あんた、どこ見てんの。
三男  花びらや笛の音といっしょに流
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