たいだ。わくわくするなあ、さあ早くいこうよ。
母 そんな大きな声をたてるんじゃないよ、よし坊が目をさますから。よし坊が目をさましたら、またつれてってくれってきかないから。
長女 おっかさん、よし坊がなにかいってますよ。むにゃむにゃって、目をつむったまま、いってますよ。
母 目をさましたのかしら。そうじゃないわ。なにか夢《ゆめ》でもみたのよ。
長女 なんの夢、みたんでしょう。病気がなおって、たこをあげてる夢かしら。よし坊は、しょっちゅう、たこをあげたいっていってたから。
長男 それからね、こまもまわしたいって、いってたよ。
次男 きのうぼくに、竹馬《たけうま》にのりたいって、いってたよ。
長男 ぼくたちがすること、よし坊は、なんでもしたいんですよ。病気のくせしてね。かあさん。
母 よし坊は、みんなといっしょに、なんでもしたいんですよ。
長女 そうよ、かあさん。学校へもいきたいんだって。よし坊をよくいじめた酒屋の三ちゃんがいてもいいのってきいたらね、三ちゃんがいても、学校へいきたいって。もう三ちゃんは、よし坊をいじめやしないってさ。
次男 そんなことあるもんかい。
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