れてくの。
[#ここから8字下げ]
(女の子とつぜん恐怖《きょうふ》にとらわれて立ちあがる)
[#ここで字下げ終わり]
[#ここから改行天付き、折り返して3字下げ]
三男 かあちゃん……。
長女 (さけぶ)よし坊ちゃん! かあさん! あたし、かあさんよんでくるわ。よし坊ちゃん、待ってんのよ!
[#ここから8字下げ]
(女の子裏口からかけ去る)
[#ここで字下げ終わり]
[#ここから改行天付き、折り返して3字下げ]
三男 (弱く)かあちゃん……よし坊とね、鳥もいっしょにとんでくの。
[#ここから8字下げ]
(間)
(やぶのさわぐ音)
[#ここで字下げ終わり]
[#ここから改行天付き、折り返して3字下げ]
三男 (さらに弱く)かあちゃん……ぼく遠いの……。
[#ここから4字下げ]
いっそう、やぶのさわぐ音。
風の中から桜の花びらが落ちる。
病気の子の上に、かたわらに。
[#ここで字下げ終わり]
[#地から1字上げ]―幕―
底本:「牛をつないだ椿の木」角川文庫、角川書店
1968(昭和43)年2月20日初版発行
1974(昭和49)年1月30日12版発行
入力:もりみつじゅんじ
校正:渥美浩子
1999年7月4日公開
2006年1月28日修正
青空文庫作成ファイル:
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