よい こえです」
と その たけのこは いいました。
そして どんどん はなれて いきました。
とうとう この たけのこは ほかの たけのこたちと わかれて、かきねの そとに あたまを だして しまいました。
すると そこへ よこぶえを もった ひとが ちかよって きて、
「おや、おまえは まいごの たけのこだね」
と いいました。
「いえいえ、わたしは、あなたの ふいて いらっしゃった、その ふえの こえが あんまり よかったので、こっちへ さそわれて きました」
と たけのこは こたえました。
さて、この たけのこは おおきく かたく なった とき、りっぱな よこぶえと なりました。
底本:「ごんぎつね 新美南吉童話作品集1」てのり文庫、大日本図書
1988(昭和63)年7月8日第1刷発行
底本の親本:「校定 新美南吉全集」大日本図書
入力:めいこ
校正:鈴木厚司、もりみつじゅんじ
2003年9月29日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、
前へ
次へ
全3ページ中2ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
新美 南吉 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング