のやうに びつこの ※[#「芻+鳥」、第4水準2−94−31]が 出なきや いゝが。」と 何氣なく つぶやきました。
雀は その 日から 大へん 心配しはじめました。
「わたしのやうな びつこの 子供が 出て 來たら どう しよう。」と 雀は 長い ためいきを つくのでした。「わたしが びつこ びつこと 雀仲間から のけものに されたやうに、この 子供たちも みんなから いぢめられたら どう しよう。」
雀は あまり 心配したので 體は おとろへて、はげしい 晝の 陽ざしには 眼が くらむやうに なりました。
或 朝 三つの 卵は 中から 破られて、三匹の ※[#「芻+鳥」、第4水準2−94−31]が あらはれました。けれど まだ 羽も ない、眼も あかない 小さな 赤ん坊なので、びつこか どうかは わかりませんでした。けれど その うちに 羽が 生え、嘴も かたまつて 子雀たちは 飛べるやうに なりました。
そこで お母さんの 雀は 子供たちを 一羽づつ 軒から 地べたまで 飛ばしたのでした。地べたに つくと 子雀たちは びつこを ひかずに ちよこちよこと 歩き※[#「廴+囘
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