京阪聞見録
木下杢太郎

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)此《ここ》に

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)舟|筏《いかだ》

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)手※[#「巾+白」、第4水準2−8−83]

〔〕:アクセント分解された欧文をかこむ
(例)例の Illusion と 〔De'sillusion〕 との世界を
アクセント分解についての詳細は下記URLを参照してください
http://aozora.gr.jp/accent_separation.html
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 予も亦明晩立たうと思ふ。今は名古屋に往く人を見送る爲めに新橋に來てゐるのだ。待合室は發車を待つ人の不安な情調と煙草の烟とに滿たされて居る。
 商標公報といふ雜誌の[#「雜誌の」は底本では「離誌の」]綴を取り上げて見る。此《ここ》に予は一種の實用的な平民藝術を味ふ事が出來て大に面白かつた。殺鼠劑の商標に猫が手※[#「巾+白」、第4水準2−8−83]《ハンカチ》で涙を拭つ
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