定連でない出席であつた。黒田、島崎両氏からはしやんと断りの葉書が来た、この二人はいつもきちやうめんだと皆で話し合つた。
萱野が内田氏をつかまへてオスカア・ワイルドのエツセイのことを論ずる調子はわきから見ると少しきざであつたなどと書かれてゐる。
何とかいふ遊人風の人が入つて来て、知る人もないのに卓上演説を始めるといふやうなこともあつたらしい。
当時日本に来てゐた独逸のグラアザア氏が、自分たちは出席は出来ないがと言つて百合の花籠を贈つてよこした。
予はパンの会の為めにしばしば案内状の板下を作つた。それだの貴君や吉井の詩集の挿絵の板下など皆火事にやけてしまつたから、もし持つてゐるならくれ給へ。[#地付き](一九二六、一二、二)
底本:「日本の名随筆 別巻3 珈琲」作品社
1991(平成3)年5月25日発行
底本の親本:「木下杢太郎全集 第一三巻」岩波書店
1982(昭和57)年7月
入力:加藤恭子
校正:菅野朋子
2000年11月22日公開
2005年12月5日修正
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