すかんぽ
木下杢太郎
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)須之《すし》
|:ルビの付いていない漢字とルビの付く漢字の境の記号
(例)到底|釀《かも》し出されぬ
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、底本のページと行数)
(例)※[#「※」は「くさかんむり+左に歹、右に食」、259中−9]蕪《そんぶ》
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字引で見ると、すかんぽ[#「すかんぽ」に傍点]の和名は須之《すし》であると云ふ。東京ではすかんぽ[#「すかんぽ」に傍点]といふ。われわれの郷里ではととぐさ[#「ととぐさ」に傍点]と呼んだ。漢名は酸模または※[#「※」は「くさかんむり+左に歹、右に食」、259中−9]蕪《そんぶ》である。日本植物圖鑑ではすいば[#「すいば」に傍点]と云ふのが普通の名稱として認められてゐる。今はさう云ふ事が億劫《おくくふ》であるから、此植物に關する本草學《ほんざうがく》的の詮索は御免を蒙《かうむ》る。
震災前、即ち改築前の大學の庭には此草が毎年繁茂して、五月なかばには紅緑の粒を雜《まじ》へた可憐な花の穗が夕映のくさむらに目立つた。學生
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