だらう[#「句点脱落」はママ]』
男はそっと赤ん坊の布団をのぞき込んだ。そして三人が顔を見合せた時に、なんとはなしに底の方から微笑が浮び上って来た。
そのほゝ笑みは、一体なんであったらう。人間の悲しみの日からは、やがて微笑や、希望が浮び出て来る。またやがて朝の日光も、ばら色に輝くことだらう。男は新たに、この幼なきものゝために、山の如くつまれた雑務をとりかたづける為めに起き上った。
[#地から3字上げ](『婦人公論』大正5・5)
底本:「素木しづ作品集」札幌・北書房版
1970(昭和45)年6月15日発行
底本の親本:「婦人公論」
1916(大正5)年5月号
初出:「婦人公論」
1916(大正5)年5月号
入力:小林徹
校正:福地博文
1999年7月15日公開
2005年12月28日修正
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