駆け入る。
[#ここで字下げ終わり]
[#ここから改行天付き、折り返して1字下げ]
ラヴィニア (静かに語り続ける。声段々に高くなる。)祝うべきかな生。実在の網に捕われ、いかなる時も息《いき》深くして思い煩わず、美しき流れに逞《たくま》しき手足を任す人こそめでたけれ。流れはその人の美しき岸に打ち寄する……。
[#ここから3字下げ]
ラヴィニア突然語を止む。あたりを見廻す。何事の起りしかを感知して、また他の人々の後に続いて行く。
[#ここで字下げ終わり]
[#ここから改行天付き、折り返して1字下げ]
ジヤニイノ (尚|跪《ひざまず》いてあり。身を顫わしつつ独りごつ。)ああ事は過ぎた。
[#ここから3字下げ]
ジヤニイノ立ち上り、また他の人々に続く。
[#ここで字下げ終わり]
[#地から2字上げ](幕)



底本:「書物の王国13 芸術家」国書刊行会
   1998(平成10)年10月25日初版第1刷発行
底本の親本:「木下杢太郎全集19」岩波書店
   1982(昭和57)年3月
※複数行にかかる中括弧には、けい線素片をあてました。
入力:川山隆
校正:noriko saito
2007年8月10日作成
青空文庫作成ファイル:
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