だ。
「ああ、夫子が――古今無双の射の名人たる夫子が、弓を忘れ果てられたとや? ああ、弓といふ名も、その使ひ途も!」
 其の後當分の間、邯鄲の都では、畫家は繪筆を隱し、樂人は瑟の絃を斷ち、工匠は規矩を手にするのを恥ぢたといふことである。



底本:「中島敦全集 第4巻」文治堂書店
   1967(昭和42)年6月末第3版刊行
※「蝿」と「蠅」の混在は底本通りにしました。
入力:Hitoshi Nagano
校正:j.utiyama
1998年10月26日公開
2008年6月22日修正
青空文庫作成ファイル:
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