ると、なんだかそんな気がしてきた。俺は起上がって、隣に寐《ね》ておられる師父の顔を覗《のぞ》き込む。しばらくその安らかな寝顔を見、静かな寝息を聞いているうちに、俺は、心の奥に何かがポッと点火されたようなほの[#「ほの」に傍点]温かさを感じてきた。
[#地から1字上げ]――「わが西遊記」の中――
底本:「李陵・山月記・弟子・名人伝」角川文庫、角川書店
1968(昭和43)年9月10日改版初版発行
1983(昭和58)年9月30日改版24版発行
入力:佐野良二
校正:かとうかおり
1999年2月9日公開
2004年2月4日修正
青空文庫作成ファイル:
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