聲あはれなりければ
[#ここで字下げ終わり]
荒濱に仔山羊が一つ啼きてをりあはれ仔山羊は何を欲《ほ》りする
大島も黒雲がくり隱れけり仔山羊は何を見らむとすらむ
曇り日の海に向ひて立ち啼ける仔山羊は未だ角みじかかり
潮風にみじかき髯を吹かせゐる仔山羊の眼ぬち哀しと思ふ



底本:「中島敦全集2」筑摩書房
   2001(平成13)年12月20日初版第1刷発行
※()付きのルビは編集部の付したもので、編集部の方針により現代仮名遣いになっています。
※「機會主義者《オッポチュニスト》(青き魔術師)」の「(青き魔術師)」は底本では「機會主義者」の左側に注記されています。
入力:桑田康正
校正:小林繁雄
2005年1月20日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
前へ 終わり
全2ページ中2ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
中島 敦 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング