げてもらい、かさなる苦難のためにまもなく死にそうになったが、私はまだ死を怖れていた。――というのは、私の仕事は終っていないのだ。 おお! 私を導いてくれる霊は、いつになったら私を悪魔のところへ伴れていって、こんなに私が望んでいる休息を私に許してくれるのだろう。それとも、私が死んであいつを生かしておかなくてはならないのだろうか。もしもそうだとしたら、ウォルトンさん、やつを逃さない、やつを探し出して私の仕返しをしてやる、と誓ってください。といって、私の行脚を引き受け、私の辛抱してきたような苦難に堪えてほしいとお願いしてよいものでしょうか。いやいや、私はそれほど利己的ではありません。ただ、私が死んでから、まんいちあの怪物が姿を見せたとしたら、つまり、復讐の神の使いがあなたのところへあいつを引っぱってきたら、そのときは生かしておかない、と誓っていたださたいのですよ。――あいつが私のかさねがさねの災難に凱歌をあげ、あいつの凶悪な犯罪の目録に追加をするようなことはさせない、と誓ってください。あいつは雄弁で口がうまいので、一度は私まであいつのことばにほだされましたが、信用なさってはいけません。あいつの魂は、あいつの姿と同じように、背信と、鬼畜のような悪意でいっぱいなのです。あいつの言うことに耳をかたむけてはいけません。ウィリアムと、ジュスチーヌと、クレルヴァルと、エリザベートと、私の父と、それから哀れなこのヴィクトルの名を呼んで、あなたの剣をあいつの胸に突き剌してください。私がそのそばを飛び舞って、刃先をまっすぐに向けるようにしますから。


     ウォルトンの手紙 ――続き


[#地から2字上げ]一七××年八月二十六日
 この奇妙な恐ろしい物語をお読みになったでしょう、マーガレット。そこで、僕が今でさえそうなるように、怖ろしさに血も凍る思いがしなかったでしょうか。この人は、ときには苦悶のあまりに、話をつづけることができなくなることもあり、またときには、声がとぎれて、苦悩しながら話そうとすることが、なかなか口に出ないこともありました。その美しい愛らしい眼が憤怒にきらきら輝いたかとおもうと、こんどは悲しみに萎れ、このうえもない悲惨な状態に沈むのでした。また、顔いろや声の調子もいつもと変らず、興奮のそぶりをちっとも見せずに静かな声で恐ろしい出来事を話すこともあり、迫害者を呪って
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