しかである。
三二 この二重の目的は、全く異る二系列の活動を通じて、人間によって追求された。
一、産業活動の二系列の一つは、狭義の産業活動すなわち技術的操作から成る。例えば農業は、食物、衣服に役立つ動植物の量を増加し、鉱業は、道具や機械を作る鉱物の量を増加する。製造工業は、繊維を絹布、毛織物、綿布に変じ、鉱物をあらゆる種類の機械に変化する。土木建築業は工場、鉄道を建設する。たしかにそれらは、物の目的を人格の目的に従属せしめようとする人と物との関係の性質を明らかにもつ活動であり、また社会的富の増加と変形を目的とするより限られたかつより確定せる性質をもっている活動である。故にそれらは応用科学または政策の対象の第一系列を構成する産業事実の第一系列すなわち技術である。
二、産業活動の第二は、狭義の産業の経済的組織に関する操作から成る。
上に述べた第一系列の活動は、第二系列の活動に見るような事実すなわち人の生理が分業に適する事実がないものとしても、産業全体を構成し技術全体の対象を構成し得よう。もしすべての人の運命が互に独立してその欲望を充足するものだとしたら、我々は各々孤立して各自の目的
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