て限られた物は産業により生産せられ得る物であり、または増加し得られるものである。だから規則的組織的努力によってこれらを生産し、その数を出来るだけ多く増加するのが利益である。世の中には雑草や何らの役にも立たない動物のような利用の無い物(有害な物までもいわぬとしても)がある。人々はこれらの物のうちに、これらの物を無用の範疇から有用の範疇に移さしめ得る性質がないかと、注意深く探索する。また利用はあるが量において限り無く存在する物もある。人々はこれを利用しようとはするが、その量を増加しようとはしない。最後に利用があって量において限られた物すなわち稀少な物がある。この最後のもののみが、現在の限られた量をより多くする目的をもつ研究または行動の対象となることが出来るのは明らかである。またこの最後の物は例外無くかかる研究または行動の対象となることが出来るのも明らかである。故にもし既に呼んだように、稀少な物の総体を社会的富と呼べば、産業的生産(production industrielle)または産業(industrie)は、社会的富だけにそしてすべての社会的富に行われる。
二六 交換価値、産業、所有
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