驕B
 直ちにこの確信を得るため、経済学はある所のものの説明であると同時にあるべき所のもののプログラムであると考え得られるといったブランキの所説を想い起してみる。ところであるべき所のものは、あるいは利用または利益の観点から、あるいは公正のまたは正義の観点からのそれなのである。利益の観点からあるべき所のものは応用科学または政策の対象であり、正義の観点からあるべき所のものは道徳学または道徳の対象である。ブランキやガルニエが取扱っているのは、正義の観点から見てあるべき所のものなのである。なぜなら彼らは、経済学は道徳学であるといい、法や正義の概念を論じ、富を最も公平に分配すべき方法を論じているからである(第九節)。反対にコックランはこの見方を明らかにとっていないのであるが、ただ氏は政策と科学の区別を指摘しながら、政策と道徳との区別を指摘することを忘れている。我々はいかなるものをも見逃してはならない。我々は合理的に完全に決定的に区別をなさねばならぬ。
 一六 我々は科学と政策と道徳とを相互に区別しなければならぬ。他の言葉でいえば、特に経済学、社会経済学の哲学を明らかにするために、科学一般の哲学の
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