経済学に課せられた二つの目的。(一)人民に収入すなわち豊富な生活を得せしめること。(二)国家に充分な収入を与えること。四 第一の観察。二つの目的は等しく重要であるが、いずれも本来の科学の目的ではない。経済学については別の見解がある。五 第二の観察。二つの活動は等しく重要であるが、異る性質をもっている。前者は利益、後者は公正。六 セイが考察した経済学は富が形成せられ、分配せられ、消費せられる方法の単なる記述である。七 自然主義者の見解は社会主義の排撃を容易ならしめるが部分的に不正確である。富の生産または分配については人は最も有用なまたは最も公正な組合せを選ばねばならぬ。八 経験的な分け方。九 ブランキ及びガルニエの不完全な訂正。
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 一 経済学の講義または概論の当初にまず、経済学それ自身、その目的、その分け方、その性格、その限界を限定せねばならない。私はこの義務を回避しようとは思わない。だが断っておかねばならぬが、この義務は、人々がおそらく想像するであろう以上に、果すに困難であり、簡単ではない。経済学の正しい定義は未だにないのである。既に経済学に与えられたすべて
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