に da[#「a」は下付き小文字], db[#「b」は下付き小文字] の二項によって与えられる交換比(〔raison d'e'change〕)という概念を用いている。第二に、ジェヴォンスは二人の交換者の場合をもってすべて問題は解けると考えている。氏は、これらの交換者の各々(取引主体)を、個々人の集団、例えば大陸の全住民、与えられた国における同じ種類の産業に従事する者の集団と考える権利を保留している(九五頁参照)。しかし氏は、このような仮定は現実を離れて、仮設的な平均を考えたものであることを、自ら認めている(九七頁)。私は現実に即しようとするが故に、ジェヴォンスの方式は、ただ二人の人のみが現われる限られた場合に妥当であるとしか、考えない。この場合には、ジェヴォンスの方式は、交換量を価格という概念に代えれば、私の方式と等しくなる。だから、任意数の人がいて、まず互に二商品を、次に任意数の商品を交換しようとする一般的な場合を導き入れるべき仕事が未だ残されていた。これは、ジェヴォンスが価格を問題の未知数としないで、交換せられる量を未知数とするような不適切な思想をもっていたことによるのである。
 一
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