資本化の理論に関してはそれほど完全ではない。この問題についてメンガー氏は 〔Jahrbu:cher fu:r Nationalo:konomie und Statistik, tome XVII〕 中に彼の研究「資本理論について」(Zur Theorie des Kapitals)を公にし、またインスブルック(Innsbruck)の教授ベェーム=バウェルク氏はその著書「資本と利子」(Kapital und Kapitalzins)(一八八四年、一八八九年)を完成した。ベェーム=バウェルク氏はこの書物の中で、資本利子の事実を現在財の価値と将来財の価値との差から引き出した(九)[#「(九)」は行右小書き]。私は、ここではベェーム=バウェルク氏と意見を同じゅうしないことを言明せねばならぬし、かつ何故《なにゆえ》に私が氏の理論に賛成し得ないかを、簡単に説明せねばならぬ。だがこれは、この理論または少くともこの理論が含む所の利子率決定の理論を数学的に築き上げた上でなくては、なされ得ない(一〇)[#「(一〇)」は行右小書き]。
「n年の後にしか引渡されないでAなる価値をもつべき物を想像し、この物が今
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