本では「需用供給の法則」]と称せられる法則の科学的形式が得られる。この法則は最も根本的な法則でありながら、今日まで、無意味なまたは誤った表現しか与えられていなかった。ある人は「物の価格は需要供給の比によって決定せられる」といって、特に価格の成立のみを見ている。またある人は「物の価格は需要に正比例して変化し、供給に反比例して変化する」といって、むしろ価格の変動を見ている。だが、実は一つのものに過ぎない所のこれらの二つの表現に、何らかの意味を与えようとすれば、まず需要と供給との定義を与えねばならない。ところで供給を定義して有効供給の意味としても、また所有量または存在量としても、また需要を定義して有効需要の意味としても、または外延利用としても強度利用としても、あるいはまた外延と強度の双方を含む利用としても、あるいは可能的利用としても、比という語を商(quotient)という数学的意味に解すれば、価格が需要の供給に対する比でもなければ、また供給の需要に対する比でもないことは明らかであり、また価格が需要に正比例し供給に反比例して変化もせねば、供給に正比例し需要に反比例して変化もしないことは明らか
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