ノおいてはこの解法は、拙著(〔The'orie de la monnaie〕)に用いられた「所望の現金」(〔encaisse de'sire'e〕)(訳者註)[#「(訳者註)」は行右小書き]の思想を基礎としている。だがこの第二版においても第三版においても、第一版におけるように、別に私は貨幣の需要供給の均等方程式を経験的に立てた。この第四版ではそれは、流動資本の需要供給の均等方程式と共に、交換方程式及び最大満足の方程式から理論的に演繹せられている。このようにして流通及び貨幣の理論は、交換の理論、生産の理論、資本化の理論、信用の理論のように、それに相応するシステムの方程式の定立と解法とを含むのである。そしてこの流通論を組成する六章は、純粋経済学の大きな問題の第四である所の流通の問題の解法を示したものである。
 私は、これら四つの問題の関連を明らかにするため、章編の数、順序、表題に少しく変更を加えた。ことに流通理論を資本化の理論の直後に置き、その次に一編を設け、経済的進歩の研究及び純粋経済学のシステムの研究をこの中に入れた。また限界生産力説すなわち問題の所与としてではなく未知数と考えられた製造係
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