ろうし、また飼養するを欲せぬであろうから。このときには、彼は、交換に何らの小麦をも供給しないであろうことは、いうまでもない。故に燕麦の有効需要は、価格が増加するに従って減少する。それは価格零においてのある数字に始まり、ある価格において零に終る。これに相応ずる小麦の有効供給は零から出発し、次第に増加し、最大に達し、再び零に帰る。
 五〇 小麦のすべての所有者はもちろん、また一方のこれら小麦のすべての所有者のみならず、他方の燕麦のすべての所有者もまた、同一の性質とはいい得ないとしても、同様の傾向をもっている。一般に商品を所有してこれを他の商品と交換しようとして市場に現われる者は、せり上げの傾向をもっている。この傾向は可能的(virtuelle)であることもあり、有効(effective)であることもあるが、精密に決定せられ得べきものである。
 (B)の qb[#「b」は下付き小文字] 量の所有者(1)が――以下代数記号で呼ぶ――市場に現われ、そのうちのある量 ob[#「b」は下付き小文字] を供給して、自分が需要する(A)の da[#「a」は下付き小文字] 量と交換するとすれば、方程式

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