ん公債の価格の騰貴は需要を減じ、供給を増加せざるを得ないし、その下落は需要を増加し、供給を減ぜざるを得ない。しかし今ここでは、交換者が交換する物は直接に利用を存する商品と仮定せられている(A)と(B)とであり、(A)と(B)の交換者のみが市場で相対しているのである。そしてこの事情がすべてを修正する。
 もちろん、Da[#「a」は下付き小文字] が Oa[#「a」は下付き小文字] より大であれば、pa[#「a」は下付き小文字] は騰貴せねばならぬ。(すなわち pb[#「b」は下付き小文字] は下落せねばならぬ。)また反対にもし、Db[#「b」は下付き小文字] が Ob[#「b」は下付き小文字] より大であるとすれば、pb[#「b」は下付き小文字] は高騰せねばならぬ。(pa[#「a」は下付き小文字] は下落せねばならぬ。)需要についても同様の推論をなし得る。すなわち価格が騰貴すれば、需要は増加することが出来ない、減少せざるを得ない。実際例えば一〇ヘクトリットルの燕麦に対し、五ヘクトリットルの小麦を供給する交換者、すなわち小麦で表わした価格 0.50 で一〇ヘクトリットルの燕麦を需要する
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