c」は底本では「b」]>O'c[#「c」は下付き小文字] であれば、p'c[#「c」は下付き小文字] を増大し、また価格が p'c[#「c」は下付き小文字] であるとき、Z'<0 であれば、すなわち O'c[#「c」は下付き小文字]>D'c[#「c」は下付き小文字] であれば、p'c[#「c」は下付き小文字] を減少して、方程式
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Fc[#「c」は下付き小文字](p''b[#「b」は下付き小文字], p''c[#「c」は下付き小文字], p'd[#「d」は下付き小文字] ……)=0
[#ここで字下げ終わり]
を得ることが出来る。
 同様にして、方程式
[#ここから4字下げ]
Fd[#「d」は下付き小文字](p''[#「''」は底本では欠落]b[#「b」は下付き小文字], p''c[#「c」は下付き小文字], p''d[#「d」は下付き小文字] ……)=0
[#ここで字下げ終わり]
が得られ、以下同様である。
 一三〇 これらのすべての操作を行えば、
[#ここから4字下げ]
[#式(fig45210_108.png)入る]
[#ここで字下げ終わり]
が得られる。ここでこの不等式が、当初の不等式
[#ここから4字下げ]
[#式(fig45210_109.png)入る]
[#ここで字下げ終わり]
より等式に近いことを証明せねばならぬ。ところで、p'b[#「b」は下付き小文字] から、右の最後の不等式を等式たらしめる p''b[#「b」は下付き小文字] への変化は直接的影響を生じ、少くとも(B)の需要についてはすべて同一方向の直接的影響を生ずることを思い、また反対に p'c[#「c」は下付き小文字], p'd[#「d」は下付き小文字] から、先の不等式を等式より遠からしめる p''c[#「c」は下付き小文字], p''d[#「d」は下付き小文字] への変化は間接的影響を生じ、少くとも(B)の需要については、互に反対の方向をとりつつある点まで相殺する影響をもつものであることを想えば、右の不等式が当初の不等式より均等により近いことは、確かであろう。この理由によって、新しい価格 p''b[#「b」は下付き小文字], p''c[#「c」は下付き小文字], p''d[#「d」は下付き小文字] ……の体系は旧価格 p'b[#「b」は下付き小文字], p'c[#「c」は下付き小文字], p'd[#「d」は下付き小文字][#「d」は底本では「d'」] ……の体系より均衡に近いのであり、同じ方法を連続すれば、いよいよこれに近づくのである。
 よって、価値尺度財を仲介として多数の商品の間に行われる交換の場合における均衡価格の成立の法則を、次の如く表現することが出来る。――多数の商品が与えられ[#「多数の商品が与えられ」に傍点]、それらの交換は価値尺度財の仲介によって行われるとして[#「それらの交換は価値尺度財の仲介によって行われるとして」に傍点]、これらの商品に関し[#「これらの商品に関し」に傍点]、市場の均衡があるべきためには[#「市場の均衡があるべきためには」に傍点]、換言すれば価値尺度財で表わしたこれらすべての商品の静止的価格が存在するためには[#「換言すれば価値尺度財で表わしたこれらすべての商品の静止的価格が存在するためには」に傍点]、これらの価格において[#「これらの価格において」に傍点]、各商品の有効需要とその有効供給とが等しくなければならず[#「各商品の有効需要とその有効供給とが等しくなければならず」に傍点]、また等しければ足るのである[#「また等しければ足るのである」に傍点]。この均等が存在しない場合に[#「この均等が存在しない場合に」に傍点]、均衡価格に達するためには[#「均衡価格に達するためには」に傍点]、有効需要が有効供給より大なる商品に価格の騰貴がなければならぬし[#「有効需要が有効供給より大なる商品に価格の騰貴がなければならぬし」に傍点]、有効供給が有効需要より大なる商品に価格の下落がなければならぬ[#「有効供給が有効需要より大なる商品に価格の下落がなければならぬ」に傍点]。
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    第十三章 商品の価格の変動の法則

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要目 一三一 多数商品間の交換の解析的定義。一三二 一般均衡状態における任意の二商品の稀少性の比率がすべての交換者について等しいこと。一三三、一三四 交換価値と稀少性の比例性、欲望曲線の不連続性の場合に関する留保、需要がゼロの場合、または供給が所有量に等しい場合に関する留保。一三五 平均稀少性。一三六 交換価値が不定かつ恣意的な条件。一三七 利用の変化及び量の変化による価格の変化、利用及び量の同時的変化による価格の固着性。一三八 供給と需要の法則について。
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