fc,3[#「c,3」は下付き小文字] ……の合計、函数 fd,1[#「d,1」は下付き小文字], fd,2[#「d,2」は下付き小文字], fd,3[#「d,3」は下付き小文字] ……の合計を、それぞれ Fb[#「b」は下付き小文字], Fc[#「c」は下付き小文字], Fd[#「d」は下付き小文字], ……で表わそう。商品(A)、(B)、(C)、(D)……の需要と供給との均等条件は、私共が問題としている一般の場合には、方程式 X=0, Y=0, Z=0, W=0 ……によって表わされているから、均衡価格の決定に対して、次の方程式
[#ここから4字下げ]
Fb[#「b」は下付き小文字](pb[#「b」は下付き小文字], pc[#「c」は下付き小文字], pd[#「d」は下付き小文字] ……)=0
Fc[#「c」は下付き小文字](pb[#「b」は下付き小文字], pc[#「c」は下付き小文字], pd[#「d」は下付き小文字] ……)=0
Fd[#「d」は下付き小文字](pb[#「b」は下付き小文字], pc[#「c」は下付き小文字], pd[#「d」は下付き小文字] ……)=0
…………………………
[#ここで字下げ終わり]
すなわち m−1 個の方程式がある。ところで、pb[#「b」は下付き小文字], pc[#「c」は下付き小文字], pd[#「d」は下付き小文字] ……は本質上正であるから、もしこれらの方程式が満足せられると、すなわち Y=0, Z=0, W=0 であると、明らかに
[#ここから4字下げ]
X=−(Ypb[#「b」は下付き小文字]+Zpc[#「c」は下付き小文字]+Wpd[#「d」は下付き小文字]+ ……)=0
[#ここで字下げ終わり]
である。
 一二四 このようにして、m商品の中の第m番目の価値尺度財として採用せられた商品で表わした m−1 個の商品の m−1 個の価格は、次の三つの条件によって数学的に決定せられる。(一)各交換者は、彼のすべての稀少性の比が価格に等しくて、欲望の最大満足を得ること、(二)価値尺度財で表わした各商品の価格で、有効全需要を有効全供給に等しからしめるものは、ただ一つしかないのであるから、各交換者は与えるものに比例して受けとらねばならぬし、受けとるものに比例して与えねばならぬこと、(三)二商品の互に他方で表わした均衡価格は、ある第三の商品で表わしたそれぞれの均衡価格の比に等しいから、裁定が起る余地がないこと。そこで今は、既に科学的解法を見出した多数の商品間の交換のこの問題が、また市場においては競争の機構によって経験的に解かれているが、それがいかようにしてであるかを見ようと思う。
 一二五 まず、価値尺度財を採用すれば、市場において、m個の商品の相互間の価格 m(m−1) 個は、減じて、m番目の商品で表わした m−1 個の商品の価格 m−1 個となる。このm番目の商品は価値尺度財である。そして他の商品相互の間の価格 (m−1)(m−1) 個は、それぞれ、一般均衡の条件によって価値尺度財で表わしたこれら商品の価格の比に等しいと考えられるべきである。p'b[#「b」は下付き小文字], p'c[#「c」は下付き小文字], p'd[#「d」は下付き小文字] ……が(A)で表わした(B)、(C)、(D)……の価格 m−1 個であって、かつ偶然に叫ばれたものであるとすると、かく叫ばれたこれらの価格において各交換者は、(A)、(B)、(C)、(D)……の供給または需要を決定する。このことは、各交換者が別に計算することなく、ただ反省をなすことによって行われるのであるが、それでありながら、需要量と供給量とが相等しいことを示す方程式及び最大満足の方程式の体系により、また先にいったような制限によって補充せられた体系により計算したのと、全く同じように行われる。いま、正または負の x'1[#「1」は下付き小文字], x'2[#「2」は下付き小文字], x'3[#「3」は下付き小文字], … y'1[#「1」は下付き小文字], y'2[#「2」は下付き小文字], y'3[#「3」は下付き小文字], … z'1[#「1」は下付き小文字], z'2[#「2」は下付き小文字], z'3[#「3」は下付き小文字] … , w'1[#「1」は下付き小文字], w'2[#「2」は下付き小文字], w'3[#「3」は下付き小文字] …を価格が、p'b[#「b」は下付き小文字], p'c[#「c」は下付き小文字], p'd[#「d」は下付き小文字] ……であるときの部分的需要または供給であるとする。もし各商品の総需要と総供給とが相等しければ、すなわち直ちに明かであるように Y'=0, Z'=0, W'=0 となり、従って X'=0 となれば、
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