つらうとしたが四|隅《すみ》に吊《つる》す釣手《つりて》がありませんでした。どうせう、かうせうと評定してゐる中、万作は仙人に貰つた袋の事を想ひ出してそれを開けてみると、中に四つの栃《とち》の実が入つてゐました。そして、それに穴をあけて青い紐《ひも》を通してありました。
「これが宜《い》い、これが宜い!」大喜びでそれを四隅の釣手にして早速三人は其中に入つて寝ました。爺さんも婆アさんも、有難い有難いと云つて喜びました。



底本:「日本児童文学大系 第一一巻」ほるぷ出版
   1978(昭和53)年11月30日初刷発行
底本の親本:「赤い猫」金の星社
   1923(大正12)年3月
入力:tatsuki
校正:田中敬三
2007年2月21日作成
青空文庫作成ファイル:
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