、それが黒《くろ》い趾《あと》を残《のこ》してめろめろと燃《も》え擴《ひろ》がるのを見《み》るのが愉快《ゆくわい》でならなかつた。彼《かれ》は又《また》火《ひ》が野茨《のいばら》の株《かぶ》に燃《も》え移《うつ》つて、其處《そこ》に茂《しげ》つた茅萱《ちがや》を燒《や》いて焔《ほのほ》が一|條《でう》の柱《はしら》を立《た》てると、喜悦《よろこび》と驚愕《おどろき》との錯雜《さくざつ》した聲《こゑ》を放《はな》つて痛快《つうくわい》に叫《さけ》びながら、遂《つひ》には其處《そこ》に恐怖《おそれ》が加《くは》はれば棒《ぼう》で叩《たゝ》いたり土塊《つちくれ》を擲《はふ》つたり、又《また》は自分等《じぶんら》の衣物《きもの》をとつてぱさり/\と叩《たゝ》いたりして其《その》火《ひ》を消《け》すことに力《つと》めるのであつた。迅速《じんそく》で且《かつ》壯快《さうくわい》な變化《へんくわ》を目前《もくぜん》に見《み》せる火《ひ》が彼等《かれら》の惡戲好《いたづらずき》な心《こゝろ》をどれ程《ほど》誘導《そゝ》つたか知《し》れない。彼《かれ》は落葉《おちば》を攫《つか》んでは竈《かまど》の口《
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