》つて居《ゐ》た塊《かたまり》は解《ほぐ》せば直《すぐ》に吹《ふ》き拂《はら》はれた。おつぎは當面《まとも》に埃《ほこり》を受《う》けるのには遠《とほ》く吹《ふ》きつける土砂《どしや》が頬《ほゝ》を走《はし》つて不快《ふくわい》であつた。手拭《てぬぐひ》の端《はし》を捲《ま》くつて沿《あ》びせる埃《ほこり》の爲《ため》に髮《かみ》の毛《け》の荒《あ》れるのを酷《ひど》く嫌《きら》つた。それでも其《その》手《て》もとは疎略《そりやく》ではなかつた。勘次《かんじ》は矢立《やたて》の如《ごと》き硬直《かうちよく》な身體《からだ》を伸長《しんちやう》し屈曲《くつきよく》させて一|歩《ぽ》/\と運《はこ》んだ。彼《かれ》は周圍《しうゐ》に無數《むすう》な樹木《じゆもく》の泣《な》いて囁《さゝや》くのを耳《みゝ》に入《い》れなかつた。加之《それのみでなく》彼《かれ》は自分《じぶん》の耳朶《みゝたぶら》に鳴《な》るさへ心《こゝろ》づかぬ程《ほど》懸命《けんめい》に唐鍬《たうぐは》を打《う》つた。彼《かれ》は滿身《まんしん》に汗《あせ》して居《ゐ》た。
卯平《うへい》は暇《ひま》を惜《を》しがる勘次
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