さんは突然《いきなり》疊《たゝみ》へ口《くち》をつけてすう/\と呼吸《いき》もつかずに酒《さけ》を啜《すゝ》つてそれから強《つよ》い咳《せき》をして、ざら/\に成《な》つた口《くち》の埃《ほこり》を手拭《てぬぐひ》でこすつた。
「婆等《ばゝあら》勿體《もつてえ》ねえことすつから仕《し》やうねえ、いや勿體《もつてえ》ねえとも米《こめ》の油《あぶら》だからこんで、それ證據《しようこ》にや酒《さけ》飮《の》んだ明日《あした》ぢや面《つら》洗《あら》あ時《とき》つる/\すつ處《とこ》奇態《きてえ》だな、何《なん》でも人間《にんげん》は油《あぶら》吹《ふ》き出《だ》すやうだら身體《からだ》は大丈夫《だえぢやうぶ》だから、卯平《うへい》そうれ一|杯《ぺえ》飮《の》め」爺《ぢい》さんは又《また》口《くち》を手拭《てぬぐひ》でこすりつゝいつた。
「畜生《ちきしやう》だからあゝだ野郎《やらう》は、畜生《ちきしやう》とおんなじだから」爺《ぢい》さんは小《ちひ》さな頭《あたま》の濕《うるほ》ひを又《また》すつと手拭《てぬぐひ》でふいた。
「其※[#「麾」の「毛」にかえて「公」の右上の欠けたもの、第4水準2−
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