や》だつて今《いま》一|遍《ぺん》云《ゆ》つて見《み》ろ、俺《お》れ目玉《めだま》の黒《くれ》え内《うち》やさうはえがねえぞつちんだから、いや本當《ほんたう》に俺《お》ら聽《き》かねえだから」彼《かれ》は髮《かみ》が餘計《よけい》に濕《うるほ》ひを増《ま》して悉皆《みんな》の耳《みゝ》の底《そこ》に徹《とほ》る程《ほど》呶鳴《どな》つて見《み》せた。
「おめえ見《み》てえにさうは行《い》かねえよ、他人《たにん》は」卯平《うへい》はぽさりといつた。
「本當《ほんたう》におめえ見《み》てえなもなねえよ、若《わ》けえ時《とき》から毎晩《まいばん》酩酊《よつぱら》つちや後夜《ごや》が鷄《とり》でも構《かま》あねえ馬《うま》曳《ひい》て歸《けえ》つちや戸《と》の割《わ》れる程《ほど》叩《たゝ》いて、さうしちや馬《うま》の裾湯《すそゆ》沸《わ》えてねえつて云《ゆ》つちや家族《うち》の者《もの》こと追《お》ひ出《だ》してなあ、百姓《ひやくしやう》はおめえ夜中《よなか》まで眠《ねむ》んねえで待《ま》つちや居《ゐ》らんねえな、そんだがおめえも相續人《さうぞくにん》善《よ》く出來《でき》て仕合《しあはせ》
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