ち》では米《こめ》の菱餅《ひしもち》を出《だ》すのが常例《じやうれい》であるが勘次《かんじ》にはさういふ暇《ひま》がないのでおつぎは僅《わづか》に小豆飯《あづきめし》を炊《たい》て重箱《ぢゆうばこ》を持《もつ》て行《い》つたのであつた。凡《すべ》ての老人《としより》が殆《ほとん》ど狂《きやう》するばかりに騷《さわ》ぐ二日《ふつか》の其《その》一|日《にち》が卯平《うへい》には不快《ふくわい》でさうして無意味《むいみ》に費《つひや》された。彼《かれ》は夜《よ》になつてから
「爺《ぢい》、今朝《けさ》のお飯《まんま》冷《つめ》たく成《な》つたつけべ俺《お》ら忘《わす》れて喚《よ》ばりに行《え》つたのがよ、さうしたら爺《ぢい》は疾《とつく》に居《え》ねえのがんだもの、そんでも先刻《さつき》はがや/\一|杯《ぺえ》居《え》るやうだつけがあつちぢや甘《うめ》え物《もの》あつて爺等《ぢいら》とつ返《けえ》しとつたんべなあ」とおつぎが少《すこ》し甘《あま》えたやうにいつたことを彼《かれ》は有繋《さすが》に憎《にく》いと思《おも》つては聞《き》かなかつた。
二三
念佛《ねんぶつ
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