んじ》も白《しろ》い食鹽《しよくえん》を爪《つめ》の先《さき》で少《すこ》しとつて口《くち》へ入《いれ》た。
「鹽辛《しよつぺ》えやまさか」彼《かれ》は嫣然《につこり》とし乍《なが》ら
「おつう、此《こ》れ藏《しま》つて置《お》け、そんぢや」
といつて更《さら》に
「※[#「姉」の正字、「女+※[#第3水準1−85−57]のつくり」、301−11]等《あねら》も酷《ひど》かんべ野《の》らは」と彼《かれ》はおつたの染《そ》めつゝあつた髮《かみ》が、交《まじ》つた白髮《しらが》をほんのりと見《み》せるまでに藥《くすり》の褪《さ》めて穢《きた》なく成《なつ》つたのを見《み》つゝいつた。
「米《こめ》でも何《なん》でも一粒《ひとつぶ》もとれやしねえのよ」おつたはぽさりとした樣《やう》にいつた。
「汁《しん》の身《み》なんざそんでも、どうにか出來《でき》んのか」
「どうしてよおめえ、青《あを》えもな土手《どて》の草《くさ》ばかしだつて云《ゆ》つてる位《くれえ》だもの、今日《けふ》が今日《けふ》困《こま》つてんだな」
「そんぢや、※[#「姉」の正字、「女+※[#第3水準1−85−57]のつくり」、
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