に下《さ》げ渡《わた》しになつたんだよ、俺《お》らまたこつちの家《うち》なんぞぢやどうえ鹽梅《あんべえ》だと思《おも》つて暫《しばら》く外《ほか》へも出《で》たことねえもんだから出《で》ても見《み》てえし、かうえ物《もの》自分《じぶん》でばかし口《くち》開《あ》けつちやあのも何《なん》だと思《おも》つて持《もつ》て來《き》て見《み》たのよ、俺《お》ら一《ひと》つ手《てえ》つけて見《み》たが何程《なんぼ》えゝ味《あぢ》のもんだか知《し》んねえや」おつたは空《から》になつたかなり大《おほ》きな風呂敷《ふろしき》を幾《いく》つかに折《を》つた。
「おゝえや、たえしたもんだね、此《こ》れ鹽《しほ》だんべけまあ、見《み》てえたつて見《み》らつるもんぢやねえよ、かうえ物《もの》あねえ、能《よ》くまあ持《も》つて來《き》て勘次《かんじ》さん此《こ》ら大變《たいへん》だ」
南《みなみ》の女房《にようばう》は食鹽《しよくえん》の一|箇《こ》を手《て》にして見《み》ながら羨《うらや》ましげにいつた。おつぎも珍《めづ》らし相《さう》にして南《みなみ》の女房《にようばう》の手《て》を覗《のぞ》いた。勘次《か
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