け/\しつゝいつた。彼《かれ》は而《さう》して一目《ひとめ》もおつたを見《み》なかつた。
「什※[#「麾」の「毛」にかえて「公」の右上の欠けたもの、第4水準2−94−57]《どんな》ことするつて俺《お》ら泥棒《どろぼう》はしねえぞ、勘次《かんじ》」其《そ》の切《き》れた目尻《めじり》に一|種《しゆ》の凄味《すごみ》を持《も》つておつたが立《た》つた時《とき》、卯平《うへい》はのつそりと戸口《とぐち》に大《おほ》きな躯幹《からだ》を運《はこ》ばせた。
卯平《うへい》はおつたを見《み》て例《いつも》の如《ごと》く窪《くぼ》んだ茶色《ちやいろ》の目《め》を蹙《しが》める樣《やう》にした。
「おやこつちのおとつゝあん、暫《しばら》くでがしたねどうも、御機嫌《ごきげん》よろしがすね」おつたはそら/″\しい程《ほど》打《う》つて變《かは》つた調子《てうし》でいつた。
「まあこつちへでも來《き》さつせえね」卯平《うへい》は隱居《いんきよ》へおつたを導《みちび》いた。
「俺《お》らいま外《ほか》から歸《けえ》つて來《き》たばかしだが、何《なん》でがすね」卯平《うへい》はぶすりと聞《き》いた。
「ほん
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