」勘次《かんじ》のいひ方《かた》はこそつぱかつた。庭《には》の油蝉《あぶらぜみ》が暑《あつ》くなれば暑《あつ》くなる程《ほど》酷《ひど》くぢり/\と熬《い》りつけるのみで、閑寂《しづか》な村落《むら》の端《はし》に偶《たま/\》遭《あ》うた※[#「姉」の正字、「女+※[#第3水準1−85−57]のつくり」、281−11]弟《きやうだい》はかうして只《たゞ》餘所々々《よそ/\》しく相對《あひたい》した。
「本當《ほんと》に俺《お》ら先刻《さつき》からさう思《おも》つてんだが立派《りつぱ》な花《はな》ぢやねえかな」おつたは庭先《にはさき》の草花《くさばな》に復《ま》た噺《はなし》を繼《つ》いだ。
「うむ、そんだが碌《ろく》に有《あ》りもしねえ肥料《こやし》ばかし使《つか》あれて」
「おめえ植《う》ゑたんぢやねえのか」
「なあに爺樣《ぢいさま》そつちこつちから持《も》つて來《き》て植《う》ゑたてたのよ、去年《きよねん》はそんでも其處《そこ》らへ玉蜀黍位《たうもろこしぐれえ》作《つく》れたつけが、此《こ》れ、邪魔《じやま》だとも云《い》はんねえしなあ」
「俺《お》ら暫《しばら》く來《き》ねえか
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