《み》たり、庭《には》の方《はう》を見《み》たりして居《ゐ》た。おつたが庭《には》を見《み》ると勘次《かんじ》は幾年《いくねん》も遭《あ》はなかつた※[#「姉」の正字、「女+※[#第3水準1−85−57]のつくり」、280−13]《あね》の容子《ようす》を有繋《さすが》にしみ/″\と見《み》るのであつた。おつたは五十を幾《いく》つも越《こ》えて居《ゐ》る。小柄《こがら》な少《すこ》しくり/\と丸《まる》みを持《も》つた顏《かほ》は、年齡程《としほど》には見《み》えないにしても漸《やうや》く深《ふか》い皺《しわ》が刻《きざ》んで居《ゐ》るのに、髮《かみ》は恐《おそ》ろしくつや/\として居《ゐ》る。おつたは髮《かみ》を染《そ》めて居《ゐ》た。然《しか》し藥《くすり》の力《ちから》は肌膚《はだ》を透《とほ》して其《そ》の下《した》にまで及《およ》ぼすことは出來《でき》なかつた。髮《かみ》は染《そ》めてから暫《しばら》く經《た》つたと見《み》えて一|帶《たい》に肌膚《はだ》についた僅《わづか》の部分《ぶぶん》が髮《かみ》の凡《すべ》てをそつくり突《つ》き扛《あ》げた樣《やう》に仄《ほの》かに白
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