も》に落《お》ちて殆《ほとん》ど直射《ちよくしや》する日光《につくわう》を遮《さへぎ》つて居《ゐ》る栗《くり》の木《き》の陰《かげ》から遠《とほ》ざかつて遙《はるか》に先《さき》の方《はう》まで轉《ころ》がつて行《ゆ》く。小麥《こむぎ》と違《ちが》つて濕《しめ》つぽい夏蕎麥《なつそば》は幹《から》がくた/\として幾度《いくど》も叩《たゝ》きつけねばなか/\落《お》ちない。それでも種子《み》は不規則《ふきそく》な成熟《せいじゆく》をして居《ゐ》るので、まだ青《あを》いのはどうしてもしがみ附《つ》いて居《ゐ》る。二人《ふたり》は藁《わら》で縛《くゝ》つた大《おほ》きな束《たば》を解《と》いては粘《ねば》つた物《もの》でも引《ひ》き剥《はが》す樣《やう》に攫《つか》み取《と》つて熱心《ねつしん》に忙《せは》しく臼《うす》の腹《はら》へ叩《たゝ》きつけた。庭《には》は卯平《うへい》が始終《しじゆ》草《くさ》を※[#「てへん+劣」、第3水準1−84−77]《むし》つて掃除《さうぢ》してあるのに、蕎麥《そば》を打《う》つ前《まへ》に一|旦《たん》丁寧《ていねい》に箒《はうき》が渡《わた》つたので見
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