い》に火氣《くわき》の去《さ》ることはないのである。卯平《うへい》は後《おく》れて箸《はし》を執《と》つたが、飯《めし》は暖《あたゝ》かいといふ迄《まで》で大釜《おほがま》で炊《た》いた樣《やう》に程《ほど》よい軟《やはら》かさを保《たも》つては居《ゐ》ないし、汁《しる》も其《そ》の舌《した》に酷《ひど》くこそつぱく且《かつ》不味《まづ》かつた。彼《かれ》は味噌《みそ》には分量《ぶんりやう》を増《ま》す爲《ため》に醤油粕《しやうゆかす》が掻《か》き交《ま》ぜてあることを知《し》つた。勘次《かんじ》は鍬《くは》を執《と》つて立《た》つた。彼《かれ》は毎日《まいにち》唐鍬《たうぐは》を持《も》つて出《で》て居《ゐ》るのであつたが此《こ》の日《ひ》はおつぎを連《つ》れて麥畑《むぎばたけ》の冬墾《ふゆばり》に出《で》るのであつた。卯平《うへい》は獨《ひとり》で※[#「煢−冖」、第4水準2−79−80]然《ぽさり》と残《のこ》された。丈夫《ぢやうぶ》な建物《たてもの》に箒《はうき》を入《い》れて清潔《せいけつ》に住《す》んで來《き》た彼《かれ》は天井《てんじやう》もない屋根裏《やねうら》から煤《
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