柿」の正字、第3水準1−85−57]《かき》の根《ね》に蹶《つまづ》いて倒《たふ》れた。彼《かれ》は次《つき》の日《ひ》足《あし》を引《ひき》ずらねば歩《ある》けぬ程《ほど》足首《あしくび》の關節《くわんせつ》に疼痛《とうつう》を感《かん》じたのであつた。勘次《かんじ》はぽつさりと立《た》つて居《ゐ》るおつぎを突《つ》きのめす樣《やう》に戸口《とぐち》に送《おく》つてがらりと戸《と》を閉《と》ぢて掛金《かけがね》を掛《か》けた。
其《その》夜《よ》はまだ各《おの/\》が一つ加《くは》はつた年齡《ねんれい》の數《かず》程《ほど》の熬豆《いりまめ》を噛《かじ》つて鬼《おに》をやらうた夜《よ》から、幾《いく》らも隔《へだ》たらないので、鹽鰮《しほいわし》の頭《あたま》と共《とも》に戸口《とぐち》に※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2−13−28]《さ》した柊《ひゝらぎ》の葉《は》も一向《いつかう》に乾《かわ》いた容子《やうす》の見《み》えない程《ほど》のことであつた。おつぎは十八《じふはち》というても其《そ》の年齡《とし》に達《たつ》したといふばかりで、恁《こ》んな場
前へ
次へ
全956ページ中376ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
長塚 節 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング