》いといふことにまで運《はこ》びがついた。微罪《びざい》といふので其《その》筋《すぢ》の手加減《てかげん》が出來《でき》たのである。内儀《かみ》さんは復《ま》た被害者《ひがいしや》の家《うち》へ行《い》つて其《そ》れ丈《だけ》の筋道《すぢみち》を聞《き》かせたが、どうしても今度《こんど》はうんといはない。
「どうもわし等《ら》分署《ぶんしよ》へなんぞ出《で》んな、なんぼにも厭《や》でがすかんね、屹度《きつと》怒《おこ》られんでがすからはあ」とのみいふのである。
「さうだがね、此處《ここ》まで噺《はなし》がついて居《ゐ》るんだから此方《こつち》でそれだけのことは仕《し》て呉《く》れなくつちや此《こ》れまでのことが水《みづ》の泡《あわ》なんだからね」と道理《だうり》を聞《き》かせても
「盜《と》らつた上《うへ》に恁《か》うして暇《ひま》潰《つぶ》して、おまけに分署《ぶんしよ》へ出《で》て怒《おこ》られたり何《なに》つかすんぢや、こんな詰《つま》んねえこたあ滅多《めつた》ありあんせんかんね、それに書付《かきつけ》だつてどうしてえゝんだか分《わか》んねえし」彼《かれ》は只《たゞ》嚴《いか》めし
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