》は居《ゐ》つかれないといふ見越《みこし》が先《さき》に立《た》つて、心底《しんそこ》から周旋《しうせん》を仕《し》ようといふのではない。唯《たゞ》暇《ひま》を惜《を》しがる勘次《かんじ》が何處《どこ》へでも鍬《くは》や鎌《かま》を棄《す》てゝ釣込《つりこ》まれるので遂《つひ》惡戯《いたづら》にじらして見《み》るのである。殊《こと》におつぎが大《おほ》きくなればなる程《ほど》、其《そ》の働《はたら》きが目《め》に立《た》てば立《た》つ程《ほど》後妻《ごさい》には居憎《ゐにく》い處《ところ》だと人《ひと》は思《おも》つた。貧乏世帶《びんばふじよたい》へ後妻《ごさい》にでもならうといふものには實際《じつさい》碌《ろく》な者《もの》は無《な》いといふのが一|般《ぱん》の斷案《だんあん》であつた。他人《ひと》は只《たゞ》彼《かれ》の心《こゝろ》を苛立《いらだ》たせた。さうして彼《かれ》の尋常外《なみはず》れた態度《たいど》が、却《かへつ》て惡戯好《いたづらず》きの心《こゝろ》を挑發《てうはつ》するのみであつた。
「まゝよう、まゝようでえ、まゝあな、ら、ぬう」
勘次《かんじ》は小聲《こごゑ》で唄
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