うご》かしては落付《おちつ》く。他《た》の鰌《どぜう》が又《また》入《い》れられる時《とき》先刻《さつき》の鰌《どぜう》が一つに騷《さわ》いでは落付《おちつ》く。彼等《かれら》は斯《か》うして其《その》小《ちひ》さな穴《あな》を求《もと》めて田《た》から田《た》へ移《うつ》つて歩《ある》く。土地《とち》ではそれを目掘《めぼ》りというて居《ゐ》る。與吉《よきち》には幾《いく》ら泥《どろ》になつても鰌《どぜう》は捕《と》れなかつた。仲間《なかま》の大《おほ》きな子《こ》はそれでも一|匹《ぴき》位《ぐらゐ》づつ與吉《よきち》の笊《ざる》にも入《い》れて遣《や》るのであつた。それで彼《かれ》は後《おく》れながらも他《た》の子供《こども》に跟《つ》いて歩《ある》かずには居《を》られなかつたのである。
堀《ほり》には動《うご》かない水《みづ》が空《そら》を映《うつ》して湛《たゝ》へて居《ゐ》る處《ところ》がある。さうかと思《おも》へば或《あるひ》は水《みづ》は一|滴《てき》もなくて泥《どろ》の上《うへ》を筋《すぢ》のやうに流《なが》れた砂《すな》の趾《あと》がちら/\と春《はる》の日《ひ》を僅《
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