より》が騷《さわ》ぎ出《だ》した。恁《か》ういふ同志《どうし》へのこんな惡戲《いたづら》は何處《どこ》でも能《よ》く反覆《くりかへ》されるのであつた。さうして成功《せいこう》した惡戲者《いたづらもの》は
「仕事《しごと》は何《なん》でも牝鷄《めんどり》でなくつちや甘《うま》く行《い》かねえよ」といつては陰《かげ》で笑《わら》ふのである。
「外聞《げえぶん》曝《さら》しやがつて」と卯平《うへい》は怒《おこ》つたがそれが爲《ため》に事《こと》は容易《ようい》に運《はこ》ばれた。勘次《かんじ》は婿《むこ》に成《な》つたのである。簡單《かんたん》な式《しき》が行《おこな》はれた。俄《にはか》に媒妁人《ばいしやくにん》と定《さだ》められたものが一人《ひとり》で勘次《かんじ》を連《つ》れて行《い》つた。卯平《うへい》はむつゝりとしてそれを受《う》けた。平生《へいぜい》行《ゆ》きつけた家《うち》なので勘次《かんじ》は極《きま》り惡相《わるさう》に坐《すわ》つた。お品《しな》は不斷衣《ふだんぎ》の儘《まゝ》襷掛《たすきがけ》で大儀相《たいぎさう》な體躯《からだ》を動《うご》かして居《ゐ》て勘次《かんじ
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