へい》は與吉《よきち》の小《ちひ》さな足《あし》の甲《かふ》へそつと手《て》を觸《ふ》れて見《み》た。手《て》も足《あし》も孰《どつち》もざら/\とこそつぱかつた。與吉《よきち》は斜《なゝめ》に身《み》を置《お》くのが少《すこ》し窮屈《きうくつ》であつたのと、叱言《こごと》がなければ唯《たゞ》惡戲《いたづら》をして見《み》たいのとで側《そば》な竈《かまど》の口《くち》へ別《べつ》に自分《じぶん》で落葉《おちば》の火《ひ》を點《つ》けた。針金《はりがね》のやうな火《ひ》をちらりと持《も》つた落葉《おちば》の一《ひと》ひら/\が煙《けぶり》と共《とも》に輕《かる》く騰《のぼ》つた。落葉《おちば》は直《す》ぐに白《しろ》い灰《はひ》に化《な》つて更《さら》に幾《いく》つかに分《わか》れて與吉《よきち》の頭髮《かみ》から卯平《うへい》の白髮《かみ》に散《ち》つた。煙《けぶり》の中《なか》には其《そ》の白《しろ》い灰《はひ》が後《あと》から/\と立《たつ》て落《お》ちた。與吉《よきち》はいつも彼等《かれら》の伴侶《なかま》と共《とも》に路傍《みちばた》の枯芝《かれしば》に火《ひ》を點《てん》じて、それが黒《くろ》い趾《あと》を残《のこ》してめろめろと燃《も》え擴《ひろ》がるのを見《み》るのが愉快《ゆくわい》でならなかつた。彼《かれ》は又《また》火《ひ》が野茨《のいばら》の株《かぶ》に燃《も》え移《うつ》つて、其處《そこ》に茂《しげ》つた茅萱《ちがや》を燒《や》いて焔《ほのほ》が一|條《でう》の柱《はしら》を立《た》てると、喜悦《よろこび》と驚愕《おどろき》との錯雜《さくざつ》した聲《こゑ》を放《はな》つて痛快《つうくわい》に叫《さけ》びながら、遂《つひ》には其處《そこ》に恐怖《おそれ》が加《くは》はれば棒《ぼう》で叩《たゝ》いたり土塊《つちくれ》を擲《はふ》つたり、又《また》は自分等《じぶんら》の衣物《きもの》をとつてぱさり/\と叩《たゝ》いたりして其《その》火《ひ》を消《け》すことに力《つと》めるのであつた。迅速《じんそく》で且《かつ》壯快《さうくわい》な變化《へんくわ》を目前《もくぜん》に見《み》せる火《ひ》が彼等《かれら》の惡戲好《いたづらずき》な心《こゝろ》をどれ程《ほど》誘導《そゝ》つたか知《し》れない。彼《かれ》は落葉《おちば》を攫《つか》んでは竈《かまど》の口《
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