》した樣《やう》に一|日《にち》熱心《ねつしん》に仕事《しごと》に屈託《くつたく》して見《み》たり、又《また》勘次《かんじ》に對《たい》する自棄《やけ》から酒《さけ》も飮《の》んで見《み》たりした。酒《さけ》といつても知《し》れた分量《ぶんりやう》であるが、それでも藁《わら》一筋《ひとすぢ》づつを刻《きざ》んで行《ゆ》く仕事《しごと》の儲《まうけ》にのみ手頼《たよ》る彼《かれ》の懷《ふところ》を悲《かな》しくした。卯平《うへい》は其※[#「麾」の「毛」にかえて「公」の右上の欠けたもの、第4水準2−94−57]《そんな》果敢《はか》ない仕事《しごと》でも、彼《かれ》の身體《からだ》が滯《とゞこほ》りなく又《また》勘次《かんじ》との間《あひだ》が融和《ゆうわ》されて居《ゐ》るならば彼《かれ》は好《す》きなコツプ酒《ざけ》の一|杯《ぱい》を傾《かたむ》ける序《ついで》に、酒《さけ》を壜《びん》に買《かつ》て勘次《かんじ》に與《あた》へることさへ不自由《ふじいう》を感《かん》じもしなければ、惜《を》しむこともないのであつた。勘次《かんじ》も疲勞《ひらう》した日《ひ》の夕方《ゆふがた》には唐鍬《たうぐは》を村落《むら》の店《みせ》の軒下《のきした》へ卸《おろ》して一|杯《ぱい》を傾《かたむ》けて來《く》るのであるが、嘗《かつ》て自分《じぶん》の家《うち》に運《はこ》んだこともなければ臭《くさ》い息《いき》を吐《は》く間《あひだ》は卯平《うへい》へ顏《かほ》を合《あは》せたこともなかつた。
 卯平《うへい》は腰《こし》の疼痛《いたみ》に惱《なや》まされて、餘計《よけい》にかさ/\と乾《から》びて硬《こは》ばつて居《ゐ》る手《て》を動《うご》かし難《がた》くなると彼《かれ》は一|塊《くわい》の※[#「火+畏」、第3水準1−87−57]《おき》もない火鉢《ひばち》を枕元《まくらもと》に置《お》いて凝然《ぢつ》と蒲團《ふとん》を被《かぶ》つた儘《まゝ》である。彼《かれ》はさうでなくても嘗《かつ》てはき/\と口《くち》を利《き》いたこともなく、殊更《ことさら》勘次《かんじ》に對《たい》しては皺《しな》びた顏《かほ》の筋肉《きんにく》を更《さら》に蹙《しが》めて居《ゐ》るので、恁《か》うして凝然《ぢつ》として居《ゐ》ることをも勘次《かんじ》は僂麻質斯《レウマチス》が惱《なや》まして居《ゐ
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